デュシャンはニューヨーク・ダダの中心人物と見なされ、20世紀の美術にもっとも大きな影響を与えた作家の一人と言われています。デュシャンが他の巨匠たちと異なるところは30歳代半ば以降の後半生には、ほとんど作品らしい作品を残していないこと。彼が没したのは1968年ですが、手仕事の「絵画」らしい作品を描いていたのは1912年頃までで、以後は油絵を放棄したそうです。その後、通称「大ガラス」と呼ばれるガラスを支持体とした作品の制作を続けていたりもしましたが、これらを次々と放棄。以後数十年間は「レディメイド」と称する既製品(または既製品に少し手を加えたもの)による作品を散発的に発表するほか、ほとんど「芸術家」らしい仕事をせず、チェスに没頭していたといいます。彼のこうした姿勢の根底には、芸術そのものへの懐疑がある、と言い伝えられているそうです。 ※R・Mutt(マット) ← デュシャンが偽名を使った時の名前
こちらのポスターはオフセットプリントになります。オフセットプリント(offset):平板印刷の一種で油(インク)の撥水性を利用した科学的な印刷方法です。版から紙へ直接印刷するのではなく中間転写体を介す為、版や紙への摩擦が少なく印刷できるのが大きな特徴です。正確で鮮明な多色刷りの印刷が可能で、原版からの再現性が高い事から現代のカラー印刷では最も広く使われています。