イタリア・ルネサンス期のフィレンツェで活動した画家。宗教画のほか、古代の神話などに想を得た幻想的な作品を多数残しており、イタリア盛期ルネサンスにおける異色の画家である。ピエロは本名をピエロ・ディ・ロレンツォ(Piero di Lorenzo)という。1462年頃フィレンツェに生まれ、画家コジモ・ロッセリのもとで修業した。ピエロ・ディ・コジモという通称はこの師匠の名に由来する。ピエロの生涯については、ジョルジョ・ヴァザーリの『画家・彫刻家・建築家列伝』以外に確実な資料が少なく、不明な点が多い。残された作品も年代の明らかなものが少なく、彼の生涯や作風の変遷を時代を追って述べることは困難であるとされています。