ナビ派に分類される19世紀~20世紀のフランスの画家。ポスト印象派とモダンアートの中間点に位置する画家である。版画やポスターにも優れた作品を残している。ボナールは一派の画家(ナビ派)のなかでももっとも日本美術の影響を強く受け、「日本的なナビ」と呼ばれた。また、室内情景などの身近な題材を好んで描いたことから、エドゥアール・ヴュイヤールとともにアンティミスト(親密派)と呼ばれている。一部の作品に見られる極端に縦長の画面は東洋の掛軸の影響と思われ、人物やテーブルなどの主要なモチーフが画面の端で断ち切られた構図は、伝統的な西洋美術には見られないもので、浮世絵版画の影響と思われる。ボナールの画面は1900年頃からそれまでの茶系を主調とした地味なものから、暖色を主調にした華やかな色彩に変化する。ボナールの華麗な色彩表現は、印象派とも日本の版画とも一線を画す、彼独自のものである。こちらのポスターはリトグラフになります。リトグラフ(lithograph):平板印刷の一種で油(インク)の撥水性を利用した印刷方法です。オフセット印刷の原型となる印刷方法で、元々は石(=リト)を原版に使用した為リトグラフと呼ばれますが、現在はより扱いに適したアルミ版が多く使われています。細かい筆致やインクの飛沫など原版の表現を損なう事無く印刷できるのが特徴です。