グラシェラ・ロド・ブーランジェ(Graciela Rodo Boulanger:1935-)南米ボリビアの裕福な家庭に生まれた彼女は、父が実業家で美術鑑定の目きき、母がコンサート・ピアニストという家庭に育ち、幼い頃から音楽と美術に才能を見せる。22歳の時ブエノスアイレス(アルゼンチン)で4年間ピアノと絵画を学ぶが、世界的な銅版画師、ジョニー・フリードランデルと後の夫のフランスの外交官クロード・ブーランジェの影響でエッチングや版画をパリのフリードランデルの工房で7年間彼のアトリエで働きながら学ぶ。彼女の作品は彼女の繊細な感受性により、鮮やかな明るい色彩で子供たちが様々な表情で生き生きと描かれている。「私が子供を描くのは、人間というものを描くため。人間存在の本質というか、恐怖、悲哀、幸福感、不安のようなすべての人間感情を子供を通して描くんです」と語るブーランジェの作品には、人生のノスタルジアが感じられる。人間存在の本質に迫り、現代人の心を揺さぶる彼女の作品は世界的に高く評価され、ラテン・アメリカ美術館、パリ国立図書館、ラ・パス現代美術館等に収蔵されている。